2019年11月17日

自分を生きるレッスンその588 心から感謝する

 霧島の紅葉は、今週末からが見頃かな。在原業平風に「ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれないに水くくるとは」というくらいにビビッドな赤を連想するまでには至っていませんね。「まだら」な紅葉です。

 これからが楽しみです。先日の満月も味わい深かったなあ。ちょっと曇りの夜で、灰色の雲がかかった満月のしみじみとした風情。ああ、日本に住んでよかったなあ、と感慨深い。以前住んでいた妙円寺団地でも同じ月があがるわけですが、団地だと灯りがいっぱいあるし、ゆったりとお月見という雰囲気にはならなかったかもしれません。霧島だと街灯がほとんどないので、夜遅く霧島に帰り着いたときに、車のドアを開け、ふっと空を見上げるだけで、月が煌々と輝いているのがわかります。星も降るようにいっぱい光を注いでくれます。

 霧島に住んでよかった。そして、仕事場をも霧島に移転して、本当に良かった。きりしま月の舟の基礎工事がとても美しく仕上がり、明日からは本格的な大工工事が始まります。基礎工事の坂口さんの美しいお仕事ぶり。感謝です。わたしがちょうど京都にいる間に基礎工事が進んでいったので、現場をご一緒することは少なかったのですが、わたしがいる日には、できるだけ手作りのお菓子を準備しました。

 これまでお菓子作りは苦手意識があったのですが、作ってみると、意外と簡単。ホットケーキミックスを使えば、さらに簡単。朝ご飯と一緒にちゃちゃっといけますわ。ただ、どんな料理でもそうですけど、深い味わいになるまでには、時間がかかりますね。わたしもようやく料理も仕事も人生も深みを増して、いま色づきはじめています。

 昨日は、鹿児島女子短期大学主催の向田邦子プロジェクトの第3回目で「向田邦子の愛したレシピ」の料理教室でした。わたしとユタカ君が第1回と第2回を担当させていただき、料理教室は、このプロジェクトの発起人である千葉しのぶ先生担当。さすがのレシピでございます。薩摩揚げも工夫がなされて、きびなご入り。

 わたしは小さいときから料理の得意な母のもとで、薩摩揚げもよく作りました。アジやイワシ、豆腐、卵、地酒をすり鉢でするのは子どもであるわたしたちの役目。いつも美味しいアツアツの手作りつけ揚げを食べていましたよ。だから、とっても懐かしかった。

 向田さんのレシピは素晴らしいものが多いのですが、今回、「のり吸い」の美味しさに目覚めました。以前、月の舟@天文館で長友ゆかり先生のご指導のもと、向田邦子の料理をやったことがありましたが、あのときも大盛況でしたね。長友先生の素晴らしいセンスが光りました。

 霧島に引っ越してからというもの、霧島の食に癒され続けていますが、最近、ようやく霧島食育研究会の料理教室に参加することができました。先日11日は、芋こんにゃくを作りましたよ。これまた簡単で味わい深いメニューです。霧島に住まないとゲットできないレシピです。

 千葉しのぶ先生のレシピは、郷土料理にひとひねり工夫が凝らされ、もちろんそれは原型を損ねるものではなく、個性がプラスされる、実に味わい深い料理です。昨日の向田レシピでは、先生はエプロンを向田邦子バージョンにされて、そのセンスも大好きでした。凝り性の人って好き。

 やはり、わたしの料理好きは、母伝来のもので、母には感謝です。先日、ちょっと怒ってしまいましたけど、よく考えたら、たった月に2回しか実家に行かないというのに、何が親孝行だ、と反省しました。母が90歳なのによく頑張ってくれているから、わたしもせいぜい月2回で親孝行をした気分になれるというもの。

 それで、13日の午前中は、お弁当をもって母のところに寄りました。いつも月の舟合唱クラスの又吉先生と麗華先生のお昼ごはんは、わたしとユタカ君が作るのですが、母にもお弁当にして届けました。そうしたら、とっても歓んでくれて、何だかこちらもほっこり。頼まれていた岩ノリと京都のお土産のシバ漬けも持参して、バタバタでしたが、大回りしてよかったなあ。何しろ、霧島から伊集院までは片道一時間半、それから12時に終わる月の舟合唱クラスに滑り込んで、午後1時からピアノレッスン、それから着付け教室、と続いて、帰り着いたころには、眠くて眠くて。

 世の中には介護に明け暮れている方も多いというのに、わたしの場合は介護に時間を割くこともなく、こうしてたまに母のところを訪ねるくらいで良しとされるわけですから、本当にありがたいことです。これからは孫育ても母のことももっとしっかりお世話しようと思います。エネルギーがいりますけど、これはわたしの仕事ですからね。

 心から感謝する。これが豊かさの原点である、と本田健さんの本に教えてもらって、それから心持ちが変わった気がします。

 無償の愛は、簡単そうで、難しいなあ。やはり、見返りを求めますものね。でも、いいんじゃないかな。見返りを求めても。感謝と許しは、同じエネルギーとも言えますし。

 自分の息子、娘のような気持ちで接する又吉&麗華先生たちは、先日ユタカ君の誕生日に、琉球泡盛をプレゼントしてくれました。とっても美味しくて、晩酌を大事にするわたしたち夫婦は、毎晩、ほんのおちょこ一杯だけいただきます。アルコール度数が高いので、ストレートで飲むと、ビール10杯分くらいのパンチがあるのですが、とてもとても美味しいです。感謝ですねえ。こういうときは、感謝して受け取る。感動して、受け取る。

 娘たちも優しくしてくれます。「ママ、ありがとう」って言ってくれます。先日の京都12泊は、次女が「本当に助かった」と言ってくれて、嬉しかったなあ。先日は、美味しそうな安納芋があったので、ひと箱長女のところに送りました。孫たちがお芋大好きですからね。これも歓んでくれました。3女のところにも今度泊めてもらいます。高級ホテル泊をプレゼントしてくれましたしね。

 会員さんたちも優しくしてくださいます。昨日のアガサ・クリステイ読書会もめっちゃ盛り上がりました。楽しかったなあ。こんな時間が大好き。皆さま、勤勉で誠実で優しい。ただ講義を聴くだけではなく、こうした読書会っていいなあ、と思います。ユタカ君がしっかりとリードしてくれるので、それがまた読書会の質を高めています。

 さて、先日、三田村雅子先生にお会いして、いろいろと刺激を受けましたが、やはり、読みの深さ、というものに感動します。言葉の表面だけをなぞるのではなく、2層も3層も深いところまで降りていく。それが自然にできる人を天才と呼ぶわけです。三田村先生は天才なんだなあ、と思います。たぶん、10層目くらいまで降りて行かれる感じ。

 わたしもどちらかというと、2層目、3層目までは行ける(笑)。いや、冗談でなく、そう読める、見える、というときがいっぱいありますからね。後藤祥子先生に「あなたのレポート面白かったわ」と言っていただくことがあったし、日本女子大学のほかの先生からも記述が面白いと褒めていただいたことが度々ありました。

 これまで自分のことを「天才じゃないか」と思ったことなどなかったし、ただただ生きることに必死でしたから、めちゃくちゃにがくしゃらに生きてきた感じがありますけど、「きりしま月の舟」を開設するにあたって、わたしの才能というものに気づかされるこの頃(笑)。

 もちろん、ユタカ君、親兄弟のサポート、周囲の力は絶大で、わたしひとりの力ではないのですが、何だか、ものごとを深く見る眼、というのを持ち合わせているなあ、と自画自賛しているところです。60歳を過ぎて、自分に自信が持てた、ということなのでしょう。遅いなあ。でもいいさ。これからです、わたしの人生。

 思えば、良妻賢母の鑑である母が、わたしを良妻賢母として育てようとしたのは当然のことで、その良妻賢母の道ではなく、文学の道を歩んで、結構、世の中の正規ルートから外れてきたわが人生。

 60歳にして、自分の仕事上の能力と、良妻賢母的な道が合体して、文学と家事が両立できているんだなあ、と思います。20代からついこの間までは、本当に変人扱いで、自分に自信が持てなかったのですが、バランスが取れてきた感じです。

 やはり「心から感謝する」という思いが、バランスを呼び寄せている。変人扱いする人を攻撃している間は、バランスが取れません。ただ感謝する、だけでもいいと思うのですが、心の底から感謝する、という気持ちになることがミソですね。

 ということで、バランスの取れた人生は、これから。あと30年がんばります。来年3月20日オープンに向けて、いろんな先生方が気持ちよくご協力くださって、感謝感激。さあ、ばりばり行きますよ。わたしの才能が開花します。どこでどんなイベントを組むか、どんどんアイデアが湧いてきますしね。

 明日から、本格的な大工工事。わたしは伊作まで百人一首の講義。大工さんたちのおやつに、パンプキンケーキを作ってから出かけます。

 今朝も、キリシマストリートベーカリーのパンを買って、はちみつトースト、北海道展で買ったソーセージ、野菜炒めの朝食で、元気もりもり。明日の準備、そして、お掃除、洗濯、張り切っていきましょう。

 皆様も素敵な一週間をお過ごしください。
posted by kimiko at 14:00| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: