2019年11月11日

自分を生きるレッスンその587 五感力

 京都から帰って一週間。この一週間が怒涛のようでした。

 ただいま午前5時半。ようやく自分の時間を過ごせています。孫のお世話も大好きで、孫が大好きで、娘たちが愛おしくて、愛にまみれているわたしですが、ひとりの時間を過ごすことの愛しさもまた大切だなあ。欲を言えば、孫育てと仕事が毎日あったら、もっといいのになあ。

 月の舟での文学講座が始まると、ああ、わたしの時間、と思えます。文学を教えることが大好き。その準備も大好き。源氏物語、百人一首、今回は特に向田邦子の講演を頼まれていて、その準備もまた楽しかった。

 自分の好きな分野で世界一を目指すこと。文学講座を充実した楽しい時間にしていくこと。それがわたしの最大のミッション。この時間があるからこそ、わたしは生きている。最高に楽しく。

 おかげさまで、月の舟の受講生の皆様は、本当に素晴らしく、気品があり、丁寧でありがたい。どの講座も、最高に盛り上がります。皆さま、一所懸命聴いてくださいます。感謝、感謝、感謝。

 新しい「月の舟応援チケット」もできて、スムースに「きりしま月の舟」のある状態へ移行しています。新しいホールの基礎工事が終了し、本格的な大工工事に入っていくようです。基礎工事の坂口さんのお仕事の素晴らしいこと。美しい仕上がりで、感謝しています。

 11月5日に京都から新幹線で帰りましたが、その車中で白ワイン、おつまみ(クリームチーズの生ハム包み)を頂き、あまりの美味しさに感動。そして、探していた本田健さんの新刊「HAPPY MONEY」を新大阪駅の書店で見つけて、帰りはその本を一気に読みました。

 本田健さんの意見を要約するなら、「心からの感謝、良好な人間関係が豊かさを生み出す」。もし一文無しになっても、一週間をタダで泊めてくれる人が52人あれば、一年間何とか生き抜いて、新しい生活を立て直すことができる。一年は52週あるので、52人の心から信頼できる友達がいるといい、というのが本田健さんのアイデアです。

 そういう信頼関係こそが、生きる豊かさの根源である。そうした考えは本当にいいなあ、と思います。わたしには52人もそんなお友達がいるかなあ。なんだか、いるような気がする(笑)。

 いつも思うことですが、わたしが娘たちのところに泊まりに行って、本当によく泊めてくれるなあ、とありがたく思うのです。母と娘と言えど、もうお互いに自立した人間ですから、自分の生活圏に他人が入ってくると、やはり「うざい」ですよね。でも、わが娘たちは気持ちよく泊めてくれて、気持ちよく台所を遣わせてくれて、気持ちよく孫のお世話をさせてくれます。ユタカ君との信頼関係ができあがっているように、娘たちとの信頼関係もできて、感謝、感謝です。

 やはり、親の役目は、子どもを自立させること。親が自立していないと、子どもも自立できません。経済的な自立はもとより、生き方、考え方がしっかりとしていることが大事ですね。人生の嵐のなかで、簡単にへし折れない心を持つこと。親以外に信頼できる人間関係を築くこと。

 さて、5日に京都から帰ってきてから、6日には源氏物語の講座のあと、ユタカ君の市役所時代の同僚の方が、いま市長になっておられて、全国市長会議が霧島で開催とのことで、ご一緒に食事をしました。

 市長さんと秘書の方、ユタカ君とわたしの4人。「いちにっさん」のしゃぶしゃぶを頂きましたが、とっても美味しかった。おふたりとも歓んでくださいました。焼酎を酌み交わし、最後はコーヒーで〆て、最高の夜でした。

 市長さんが「あの親にして、この子あり、だな」と言ってくださったのが、とっても嬉しかった。義父はその土地でも立派な人としてたくさんの尊敬を集めた方でしたが、その立派さがユタカ君にも流れている、という意味です。わたしもそう思います。本当に義父は立派な方でしたし、ユタカ君も立派です。

 7日は、百人一首と源氏物語きよらクラス。ばっちし授業ができました。8日は、ユタカ君は市長さんを鹿児島のいろんなところにご案内。これも歓んでいただいたようです。わたしは合唱クラスと9日の講演の準備。

 11月9日、この日は、わたしの人生で最も忙しい一日だったんじゃないかな。午前8時、霧島の自宅を車で出発。10時から、かごしま近代文学館で向田邦子と鹿児島についての講演。向田さんのことをお話するときは、本当にお客様がおきれいで向田邦子さんのエッセンスをすでに身に着けておいでの方々が多いですね。鹿児島女子短期大学のスマイル食育講座の一環ということで、千葉しのぶ先生の企画のもと、わたしとユタカ君のふたりで協力させていただきました。

 向田邦子さんに関しては、小さな冊子も出版していますし、講演もいっぱいやってきましたが、今回は「五感力」を中心に据えて、お話しました。五感力の高い人が人間力の高い人、という考えのもと、向田さんの五感力の高さをお話しました。

 味覚は「う」の抽斗に象徴されるように、食通であったこと。料理もよくされたこと。聴覚は、水ようかんとミリー・バーノンの曲を組み合わせる、というように単に音楽を愛するだけではなく、音を味覚や言葉と密接にくっつける技をもっておいでだった。視覚は、もちろんテレビドラマの映像。絵の鑑賞眼をお持ちだったこと。嗅覚がまた素晴らしく、香りの高いものにとても関心がおありだった。結構早くにハーブに興味をもっておいでだった。触覚は、身体感覚が鋭くて、踵などの見過ごしがちな部位をクローズアップするのがとてもお得意だった、などなど。

 鹿児島とのかかわりのながれで、「細長い海」「楠」のエッセイを取り上げて、少しだけ朗読もしました。華やかな活躍の影の孤独や欠落感も描かれていて、わたしたち読者はそこにまた共感するのだなあ、と思います。

 講演のあと、近代文学館から向田さんの旧居あと、山下小学校、ザビエル教会、鹿児島市中央公民館を通っての文学散歩もありました。文学散歩はユタカ君のリードで、ときどきわたしが補足をするかたちで進めました。

 約一時間半を皆様、しっかりと歩いてくださって、感謝、感謝です。暑い中で休憩も取らず、というか時間の関係で休憩が取れず、申し訳なかったのですが、しっかりと聴いてくださいました。また次回の開催を希望される方が多くて、本当に感謝しています。向田邦子スピリットはもっともっと広めていきたいですね。また、やりますから、どんどんみたけきみこを気軽に呼んでくださいね。

 千葉先生をはじめ、鹿児島女子短期大学の先生方には大変お世話になりました。近代文学館の皆様にもプロジェクターの設定など、大変お世話になりました。感謝、感謝です。ありがとうございます。おかげさまで、すべてがスムースにできました。

 文学散歩が終わったのが午後1時。そのまま、わたしとユタカ君は車で鹿児島国際大学へ。三田村雅子先生の源氏物語「女楽」についてのご講演があるのです。5年前、その「女楽」をもとに、宝山ホールでかごしま文化研究所20周年のイベントをやったプロデューサーということで、講演会に駆け付けました。

 かごしま近代文学館から鹿児島国際大学までの遠いこと。40分かかりましたわ。向田邦子イベントにご参加くださった月の舟会員の上田さんと福永さんも、わたしの車のあとをついてこられましたが、秘密の近道をよくついてきてくださいました。で、講演会には15分の遅刻ですわ(笑)。車の中でおにぎりをほおばるという、芸能人並みの時間。

 三田村先生とは初対面でしたが、ご著書はほとんど読んでいます。その中身のユニークなこと。書いてあることの奥のその奥を読み取ることのできる大学者であられます。今回も、紫の上の病気に関する見解には、卒倒しました。紫の上は、光源氏の気を引くために病気を治さなかった、と。

 へーーーーーーーーー。わたしは、紫の上をあまりにも聖女扱いしすぎたかな。そのお話を聴けただけでも最高でした。

 会場との質疑応答のときに、わたしにも一言、話を振ってくださって、「女楽」をやったいきさつなどを話させていただきました。あのときは、本当に三田村先生のような緻密な読みではなく、ただただ久保禎先生に作曲を丸投げしたようなものでしたが、久保先生は緻密に独自に勉強してくださって、実に気品ある「女楽」の曲ができあがりました。これまた感謝です。

 さらに嬉しいことに、小林潤司先生のご配慮で、わたしたち夫婦も三田村先生を囲んでの懇親会にご一緒させていただきました。三田村先生の真ん前のお席という栄誉で、実に楽しく話が盛り上がりました。谷崎潤一郎の小説「細雪」と源氏物語の関係、三田村先生の学識の深さ、読みの深さに改めで感動です。

 三田村先生は全く飾らないお人柄で、何よりも源氏物語を知らない、読んでいない方にも実に寛大。どんな人とも丁寧に接してくださる。そして五感力の高い方だなあ、と感心しました。この講演会の企画をされた武藤先生のパワーもすごい。まだお若いのに、エネルギーの高さは半端ないな。一瞬で大好きになりました。

 で、午前8時から夜の懇親会が終わる午後9時、そしてユタカ君とふたりで天文館の懐かしいお店を3軒はしごして、ホテルへ帰り着いたのが午前零時過ぎ。

 昨日10日は、南先生の整体を受けて、母のところへ。またパンを買っていっても、「持って帰んなさい」。へろへろの身体で90歳の母のところへ来たというのに、「親のことを考えているのは、竜平(弟)だけだ」との言葉に、かなりいらっときました。わたしの親孝行を全く受け取ってくれないばかりか、存在さえしていないような発言。ま、弟夫婦は隣に住んでくれているうえに、先日転んだ母のために手すりを取り付けてくれたりして、わたしたちも感謝しています。わたしなんて、月に2回くればいい方で、確かに何にも考えていないとはいえる。でもね、だからといってランク付けする必要はないでしょ。わたしが行ったときに、ただ一言「ありがとう」と言ってくれたら、もっと一週間に一回は行こう、と思うのにね。

 ぷりぷりしながら、母のところを辞して、霧島の自宅近くで開催されている「よかもん市」へ。そこでは裕太君のお野菜とか、占いもあって、にぎわっていました。わたしは占いをしてもらいましたよ。

 占い師の方曰く、「きりしま月の舟は大繁盛する。だけど忙しすぎて、夫婦関係にひびが入らないように気を付けてください」とのこと。なるほど。母のことを話したら、「親孝行をお母さんが受け取ってくれなくても、神様は受け取ってくださってますから、大丈夫ですよ」とのこと。

 ほほお。神様が受け取ってくださっているのか。そのことに気づかせてくださって、本当に感謝です。心がほんわかなりました。

 今日は、朝から料理教室。芋こんにゃくを作ります。これから、基礎工事の仕上げに来てくださる坂口さんのために「リンゴのマフィン」を作ってから、料理教室に参加する予定。午後もお客様。

 明日も打ち合わせ。ユタカ君と仲良く、五感力を高めて、これからも人生を楽しんでいきます。

 皆様も素敵な一週間をお過ごしくださいね。
posted by kimiko at 07:26| Comment(0) | 日記
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