2019年10月22日

自分を生きるレッスンその580 洗練と自然の融合

 昨日から「きりしま月の舟」の基礎工事が始まりました。大工の味園さん、基礎工事の坂口さん、樹木の専門家・田中さん、農業青年・裕太君、わが実家の太陽ガスの高野さん、みんな30代、40代の青年ばかりで、午前8時から若い仕事エネルギーで熱気むんむん。

 台風の影響で、時折雨模様であったものの、午前中には仕事がほぼ終わって、昼食にわたしの作ったカレーを食べてくださって、「美味しい」と叫んでくださった模様。わたしはちょうど伊作まで「百人一首」の講義で朝早く出かけていたので、昼食はご一緒できなかったのですが、わたしが午後2時に帰り着いたときには、カレーはほぼなくなっていました。冬瓜のスープも大人気だった模様。ありがたや。

 これから大工さんたちに出す「おやつ」に挑戦します。これまでスイーツは未開拓の分野だったので、これを機会に簡単おやつ作りに頑張ります。料理は大好きなので、孫たちのために料理することは至福の時間だし、ユタカ君との晩酌の時間を大切にしているので、酒の肴は得意ですが、おやつは、みたらし団子くらいしか作ってこなかったな。娘たちの方がお菓子をよく作っていました。

 家創りは、とっても楽しい。ただ単にお金をかければいい、というものではなくて、どういう空間にしたいか、が一番大切だなあ、と思います。きりしま月の舟は、子どもから大人までが楽しめて、リラックスできて、深い文化活動に触れる空間。

 「洗練されている」ことをとても大事にしたいと思っています。プロとして洗練されている。鹿児島弁でいう「ずんだれていない」。掃除が行き届き、整理整頓がなされていることはもちろんのこと、自分の魂に深く向き合う場所であってほしいなあ。

 そのためには、何よりも「ことばが洗練されている」こと。昨日の若者たちのすがすがしさは、言葉が美しい、ということにあります。それぞれの専門分野での仕事ぶりはもちろんのこと、コミュニュケーションの取り方がとても美しい。微笑み、所作、言葉遣いがとても洗練されています。相手を尊重しよう、という態度が実によろしい。

 わたしの両親の世代は、がむしゃらに頑張った世代なので、とにかくたくさんのものを残してくれていますが、それが整理整頓されない状態で、さらには負のことばたちをいっぱい残してくれているものだから、いま、わたしの脳内には競争による悪口や愚痴も、その膨大な仕事エネルギーとともにくっついてきています。

 それをわたしの世代で、きれいに整理整頓して、次世代に渡したいものです。そう思って若者たちと接していると、彼らはすでにもう洗練された言葉を獲得し、未熟ではないさわやかさを醸し出しています。いま、建設と同時にデザイナーの村山さんとも「きりしま月の舟」の情報発信部門で一緒に仕事をしていますけど、本当に若い人たちは、静かで専門的で、洗練されていて、気持ちよくお仕事ができます。感謝しまくりです。
 
 わたしはユタカ君との関係をとても大切にしているので、彼との間ではもう天国のような時間だけが流れています。

 先日、月の舟会員のHさん(84歳)がいつものようにいっぱいのお土産、たとえば冷凍の焼き芋、長期保存のお豆腐だのを持ってきてくださって、しばし月の舟@新屋敷で歓談して、わたしたち夫婦の仲の良さを褒めてくださいました。

 それで、わたしが調子に乗って、「彼の寝顔を見ていると、先に死ねないですよね。でも先に死んで、彼に新しい妻をもらう、という楽しみも残してあげたいなあ」と言ったら、すかさず84歳のお姉さまが洗練された鹿児島弁でおっしゃいました。

「来てはおらん。」

 一刀両断、といった感じでぴしゃり。あなたが死んだあと、豊さんに新しいお嫁さんが来る可能性はゼロですよ、という意味です。さらに続けてこう言われました。

「こんな身体も心も使い古された男の人に、誰が嫁に来ますか」

 まいりました。たしかに、ユタカ君はきみこによって、身体も心もボロボロに使い古されておりますわ。とくに心はボロボロでしょう(笑)。さすがの84歳。わたしたち夫婦は、大爆笑。笑い転げた美しい時間でした。

 90歳の母も、最近、90年の過去のデトックスができたのか、こちらの覚悟ができたのか、先日はとても美しいお辞儀をしてくれました。

 いま山形屋デパートでイタリア展を開催中で、チーズの好きな母に、と思って柔らかいチーズを買って、母に届けました。何か虫の知らせみたいな感じで、いつもは受け取ってくれないわたしの料理(秋鮭とごぼうの煮物)を持参したら、大喜び。というのも、美容院に行こうとして転んで、顔から倒れたとのこと。

 顎に腫れが残り、膝は内出血したとのことで、ぐるぐるとテーピングされ、痛々しいこと限りなし。幸いに骨折もヒビもなく、弟嫁さんによれば、レントゲンをとったら、ものすごくきれいな骨だったそうです。

 きみこは忙しいからと遠慮して、何も知らせてくれなかったのですが、今回はタッパーのお惣菜もチーズもフォカッチャも全部歓んでくれて、こちらも嬉しかった。そして、帰りに丁寧にお辞儀をしてくれました。

 死を迎え入れる、というのは容易なことではないですね。84歳のHさん、90歳の母から、その生き様を深く学ばせてもらっています。生き様とは死に様でもあるんだな、と。ふたりとも美容院は欠かさず、いつもきれいにおしゃれして、お金の管理もしっかりとしているし、その毅然とした態度は勉強になります。

 若者からも年配の方々からも学びの日々。成長し続けることが、美しい人生の秘訣。これでいい、と傲慢になってはいけませんね。そして、自分の人生の課題、本質をしっかりと見極めることが大事です。

 わたしのこれから30年の課題は、仕事をし続けること。稼ぎ続けること。死ぬまで講座を持つこと。「きりしま月の舟」は、そのためのわたしにとってのお城です。自然豊かな、神々しい霧島の地に、洗練された若者たちの手によって、神様の境地に至った年配者たちの応援を受けて建てることができるのは、本当に嬉しく、ありがたく、最高に幸福です。

 わたしの本質は、愛と信頼。笑いと癒し。愛をたっぷりと溢れさせて、信頼関係を強固にし、高らかに大笑いをして、人を癒していきたいな。わたしの周りの人たちが、自分を思い切り開放できるように応援していきたいな。

 10月20日、久しぶりに作家の角田光代さんが鹿児島にいらして、かごしま近代文学館でトークをされました。2年前に月の舟@天文館でも角田さんはトークをしてくださいまして、そのときの実行委員会「チームほーん」のメンバーも勢ぞろいして、角田さんを応援しました。

 角田さんも「チームほーん」のメンバーに気が付いてくださって、目を見かわしてくださったり、サイン会のときも、美しい笑顔で「こんにちは」とお声かけくださって、ああ、なんて素敵な人、とあらためて思います。ちっとも偉ぶらなくて、トークもファッションも自然体で、実に正直な方。

 ものすごい努力の人でもありますね。わたしたちが古本屋「つばめ文庫」の小村さんの発案で鹿児島に角田光代さんをお呼びしようと活動していたとき、霧島の我が家で2回合宿をしたりしましたが、そのときの勉強会でわたしが感動したのは、小説千本ノックというもの。小説がうまくなりたくて、短編小説を千本書いた、というもの。千本だったか、600本だったか忘れましたけれど、その初々しい努力が美しいな、と思ったことがまたよみがえりました。 

 かごしま近代文学館の垂野秀子館長はじめ、学芸員の井上さん、吉村さん、森山さんたちの「女子力」が光る角田光代さんのトークショー、わたしも心から楽しみました。その資料の読み込み、展示の工夫、働きぶり、ほんとうに感動しました。ありがとうございます。

 その帰りに、長島の馬場さんが会いにきてくださって、自家製はちみつ、長島の新鮮な魚の干物をいっぱい届けてくださいました。馬場さん、ありがとうございます。はちみつのおいしかったこと。イタリア展で買ったチーズにかけて食べたら、もう最高でしたよ。

 そうそう、先週の金曜日は、2代目アシスタントのかなちゃんが月の舟@新屋敷に遊びに来てくれました。6ヶ月の赤ちゃんケンタロウ君と一緒に。もうケンタロウ君のかわいらしいこと。もうメロメロですわ。かなちゃんの子育ての上手なこと。もういっぱいの愛情で育った感じがして、愛らしさの塊、ケンタロウ。応援してるよ。   

 わたしもまた、いつも新鮮でありたい。そのために、初々しい努力を続けたい、と思います。いつもの月の舟の講座、講演、とくに11月9日に依頼されている向田邦子さんの講演&文学散歩(主催、鹿児島女子短期大学)は、新しい勉強も加えて、最高のものをご提供しますよ。午前10時から、かごしま近代文学館で開催されますので、参加ご希望の方は、みたけきみこまでご連絡くださいね。お待ちしています。参加費無料です。

 勉強と並行して、お孫ちゃんたちのお守りも楽しみますよ。霧島の自宅は、ユタカ君が守ってくれますし、10月25日の講演もユタカ君が引き受けてくれました。10月25日(金)午後2時より日置市中央公民館にて「令和ものがたり」と題して、万葉集と年号の話をします。

 遅咲きのみたけきみこ、62歳にして自立の道をゆったりと堂々と(笑)歩いています。自立とは、ゴミをしっかりと処理すること、というコラムを先日読みました。身の回りの整理整頓、本質と課題の整理整頓、日常の時間管理、お金の管理、まずはここからですね。しっかりと自分の魂と向き合うこと。自分の方向性の整理整頓。心のごみのデトックス。

 90歳のみたけきみこを想像してみます。おしゃれで文学講座を続けて、若い芸術家たちに囲まれて、彼らを心から応援して、いつも芸術活動、自分の魂を大切にする活動を続けています。コンサートや映画に出かけ、夜の酒場も楽しみ、料理も作る。
 
 孫たちといつも楽しく遊んで、娘たちは相変わらず美しくしっかりしていて、ユタカ君とラブラブ。毎日、決まった時間にふたりで腕を組んで散歩します。豊かさの温泉に浸かっているように、毎日がしあわせです。

 年々、成長していきます。日々、成長していきます。まだまだ自分に期待します。洗練されたわたしであるように、いつも磨きをかけます。心も身体も。

 今日は、天皇即位の儀式ですね。わたしは、三島由紀夫の言う文化的象徴としての天皇に敬意を表します。文化とは「洗練」であろう、と思う昨今。洗練と自然を融合させる「きりしま月の舟」の創造に向けて、これから新しい一歩を踏み出します。

 皆様も素敵な休日をお過ごしください。
posted by kimiko at 12:07| Comment(2) | 日記
この記事へのコメント
何となく読み始めました。そのうちお顔を思い浮かべながら熱心に文字を追いました。霧島に建てられる新たな塾に対する想い、素敵だなと思います。ますますのご活躍を祈っています。
みたけきみこさんのような存在は鹿児島の文化の継承には欠かせない人と思います。婦唱夫随?のようで本当は夫唱婦随なのかも。失礼❣
Posted by 大石ケイジ at 2019年10月22日 12:54
大石様、こんにちは。ご無沙汰しております。
ブログを読んでくださいまして、ありがとうございます。
うちの夫婦、夫唱婦随ではないですね。だって、夫は何も唱えませんからね(笑)。でも、とても彼のことを尊敬しています。
12月1日が上棟式です。遊びにおいでくださいませ。
またブログを読んでくださいませ。
大石さんに心から感謝いたします。
Posted by みたけきみこ at 2019年10月22日 14:13
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